劣化する意思

2025.11.18

 

「想いや意志は、どうして劣化するのだろう」

 

ということをいつも考えています。

 

結婚の3分の1は離婚に至るし。

 

ベンチャー起業の10年生存率は5%程度だし。

 

「一生もの」って買ったファッションは1年で着なくなるし。

 

こういう話を、

 

・想いの強さ

・意志の強さ

 

っていう議論に持ち込む人が多いんですけど、果たしてそうなのかな、って思うんです。

 

人間は「熱量の持続」を美徳とする文化の中にいますが、それは近代的価値観の呪縛のように感じます。

 


実際には、

 

・想いは冷める

・意志は減衰する

・動機は経年劣化する

 

です。

 

これが、自然な姿。

 

例えば、、、

 

大谷翔平選手が世界一の野球選手になったのは、彼の想いや意志が強かったからだ、みたいな。

 

だとしたら、想いの強さも、意志の強さも、結局は才能ですよ。生まれた瞬間に決まっている。

 

 

そこが、納得がいかないんですよね。どうしても。

 

僕がずっと考えているのは、

 

想いも、意志も、やりたいことも、全部、必要ない

 

ということです。

 

むしろ、、、

 

想いも意志もやりたいことも、あったほうが邪魔。

 

固定化された動機は変化を阻むんです。

 

 

それよりも重要なのは、、、

 

「変化への寛容さ」のような気がしています。

 

いや。

 

違うな。

 

寛容さじゃないな笑

 

「変化のデフォルト化」かな。

 

ずっと変化していくこと。変化のために必要なことを構造的に備えていくことのほうが重要なんじゃないかな、って思います。

 

人が変化ができないのは、構造の問題だと思うんです。

 

構造を言い訳にするから、変化ができないように思っています。

 

 

例えば、、、

 

永遠の愛を誓ったはずの結婚なのに、結婚しているから、とか、子供がいるから、とか。

 

そういう言葉が出ることの意味をもっと真剣に考えてもいいと思うんです。

 

もちろん婚姻関係や子供に対して社会的な責任があるのは当然なんですが、そうじゃなくって。

 

「愛」から始まった関係が、構造を言い訳にして変質していることの是非をもっと考えるべきだと思うんですよね。

 

愛がずっと続けば、その上にのっかる婚姻関係や子育て問題は、きっと上手くいくはずじゃないですか。

 

その構造が逆転しているから、余計な悩みが増えるんじゃないかな、と。

 

永遠の愛なんかないんですよ。絶対に。

 

そのことを前提に双方の「変化した愛」の変化率が同じだったら良いわけじゃないですか。

 

私の愛は110%になった。

 

あなたの愛も110%になった。

 

変化率は+10%で一緒。だから成立。みたいな。

 

夫婦は「同じ気持ちでいる」必要はないんですよ。同じスピードで変わっていけるか?だけが重要。

 

 

ぐるっと回って最初の話ですが、、、

 

これと同じことがビジネスデザインでも言えると思うんですよね。

 

「100」の地点からスタートするんじゃなくて。

 

「0」の地点からのスタートでいいんです。

(むしろ「0」スタートのほうがいい)

 

「100」からスタートすると劣化しちゃうんですよ。だって人間の性質がそうだから。

 

人は低きに流れる水のような生き物だから。楽しちゃう。ルーズになっちゃう。

 

 

だから、、、

 

0→30→100→200→300

 

って変化していく「変化率」が同じことのほうが重要なような気がするんですよね。

 

変化を構造化できるならば、それは絶対に成り立つんです。

 

100→劣化→80→60→40

 

これが普通の人間のリアル。こうなっちゃダメなんですよ。

 

「強い想いがあるスタートアップは成功する」

 

これは、ほとんど嘘、です笑

 

「変化率を維持できるスタートアップが成功する」

 

これこそが、ほぼ真実、です。

 

このことは、適応システム理論や複雑系、もっと言うと、ダーウィン進化論や禅と、同じ思想構造だと思うんです。

 

「劣化」を否定せず構造化すれば、成長になる。

 

そう思うんですよね~

 

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株式会社MEETSHOPの事業開発担当。得意なことは言語化と図式化、整理整頓。